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2006年 04月 06日
確認申請や構造に関しての誤解 2
2、耐震強度指標値0.5以下は震度5で倒壊する恐れがある
ホントに倒壊するのかぁ~~~(?m?)

これは性根を入れてかからなければ、、、、(-m-
少々、長くなるかもしれませんので、、疲れてきたら、二部三部構成にします。

「耐震強度指標値0.5以下は震度5で倒壊する恐れがある」ってのは、もぅ新聞やテレビで嫌という程、聞かされたフレーズです。「倒壊」というと、阪神淡路大震災の時の、崩れてスローモーションのように道路に倒れていったビルが真っ先に脳裏に浮かぶと思います。私自身の倒壊のイメージは、はるか昔の新潟地震で、地盤の方がゴメンナサイしちゃって、アパートごと、斜めに倒れた映像。ありゃ、トラウマですね。。。

ホントに倒壊するのか???って話しになると、実は、誰も判らない、、ってのが、正解なんですネ。まぁ、そんな事なんで、国土交通省も「恐れ」という逃げを取っているのでしょうが、、。アネハネハが事件発覚した日、インタビューで「震度5の地震が来たら、どうなるんですか!?」と聞かれ確か「震度5なら一部は壊れると思うけど、、、、、、でも判らない」というようなコメントをして、開き直りと顰蹙をかいましたが、技術屋さんとしては、とても正直で、正しい事なんです。

「耐震強度指標値0.5以下は震度5で倒壊する恐れがある??」、実は国土交通省から、何の根拠も示されていません。(これから、チョィと小難しい話しになります)。この「0.5」という指標、多分 Qu(保有水平耐力)/Qun(必要保有水平耐力)=耐震強度指標値 という事なんだと思うのですが、また眩暈基準法の対応条文を引用します。ホントに眩暈がしますので、貧血気味の方は太字だけ読んで下さい。

(保有水平耐力)
第82条の4 特定建築物で高さが31メートルを超えるものについては、第82条各号及び第82条の2の規定によるほか、特定建築物の地上部分について、第1号の規定によつて計算した各階の水平力に対する耐力(以下この条及び第82条の6において「保有水平耐力」という。)が、第2号の規定によつて計算した必要保有水平耐力以上であることを確かめなければならない。
1.第4款に規定する材料強度によつて保有水平耐力を計算すること
2.地震力に対する各階の必要保有水平耐力を次の式によつて計算することQun=DsFesQud
この式において、Qun、Ds、Fes、及びQudは、それぞれ次の数値を表すものとする。
Qun各階の必要保有水平耐力(単位 キロニュートン)
Ds各階の構造特性を表すものとして、特定建築物の構造耐力上主要な部分の構造方法に応じた減衰性及び各階の靭性を考慮して国土交通大臣が定める数値
Fes各階の形状特性を表すものとして、各階の剛性率及び偏心率に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値
Qud地震力によつて各階に生ずる水平力(単位 キロニュートン)
2.第1号の規定によつて計算した保有水平耐力が、前号の規定によつて計算した必要保有水平耐力以上であることを確かめること。

熊語訳
(保有水平耐力)第82条の4 
これから書く、第一号で計算したのが保有水平耐力だからね。
第一号:決められた材料の強さで保有水平耐力を計算してね。。。
これから書く、第ニ号で計算したのが必要保有水平耐力だからね。
第二号:Qun=DsFesQud っていう式だよ。
そんでもって、その二つを比較して、安全を確かめてね。(以下基準法には書いてありません)その数値を耐震強度指標値というからね。それが1.0以上じゃないと違反だよ。


ロジックがおかしいのに気づかれたでしょうか?
つまり、Qu(保有水平耐力)/Qun(必要保有水平耐力)=耐震強度指標値が1.0以上じゃないと、ダメよ。。じゃ、必要保有水平耐力ってどう計算するの、??で、Qun=DsFesQud っていう式だよ。。これは、ちょっと難しいけど、、了解(^▽^)/。。。。じゃ、、保有水平耐力って、どうやって計算するの??、、で、、、よく見ると・・・・あれ????あれ???式が無い。。(**!保有水平耐力は、決められた材料の強度で計算しなさい!とは書いてあっても、どうやって、計算するのかは、書いてない!!!(TT!!!

基準法!またかよ!!(--#。。。昨日も書きましたが、、、明確な基準なんて、書いてないじゃねぇかよ。。「スピード違反すんなよ!」って言っておいて、「じゃ、何キロから違反ですか?」って聞くと、、、、「皆で相談して決めなさい!!!」。小学生の「学校の決まり」じゃ無いんだからぁ~~。頼むってぇ~~。

計算しないと違反だよ!って言っておいて、実は、法的に、何の定めも無いに等しいのです。で、、、計算しない事には違反になるのですから、構造設計者は何をするのかというと、、まずは学会基準やら、その他参考図書をひもとく。。。まぁ、そこには工学的な数式がいっぱい書いてあります。。。で、実務になると、そんなもん、電卓でピコピコやってたら3年かかっても小さなマンション一つも終わらない。。。。うわ~(TT;。。。。。どうしよう。。。って事で、報道で有名になった、「評定プログラム」って奴がここで登場する訳です。。。

続きは、、、また。。。(^m^)/^^^^

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mail to ㈱北工房 栃木

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by kitakobo | 2006-04-06 19:01 | 建築すること・・つれづれに


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