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2010年 04月 27日
長期優良住宅をめぐるドアホな行政動向
本日の記事は、エンドユーザーの方には、チンプンカンプンを承知で・・・(^m^;;;

6/1以降、建築確認申請の行政手続きが簡素化されるそうです。実務者にとっては、ま、、若干、ほんのちょっと手間が減るかな??程度。お得意の「運用改善」という、いきあたりばったりの「解釈変え」

で、大問題は、その中に「長期優良住宅申請の構造計算不添付」という動きがあります。
現在、長期優良住宅申請においては、「耐震等級2」という基準をクリアするために、原則的には構造計算を行って、その計算書を添付しなければならない事になっています。確かに、これが、一般的な工務店さんの設計能力から類推すると、ハードルが高い。審査にも時間を要しています。でね、、だからいって、どこの業界団体から「陳情」「要望」があったのかは判りませんが、いきなり「計算書不要」って事にはならんでしょう・・・・(-0-。。。

決して、基準値の「耐震等級2」ってのは変わらないわけですから、計算書つけないで、「これ、、、2 です。」って、申請出された方も、なにをもって判断していいのか、わからないはず。結局、審査機関で「確かめ算」を最初っからやらなきゃならん、、というアホな事になってしまいます。よしんば、「2」に達していない物件に「OK」出してしまったら、例によって審査機関が責めを負う羽目になりますもんね。

高速無料とまで言ってしまった手前、実質値上げは許さん。でも、新規に作る道路の財源は確保せよ=審査の簡素化と言ってしまった手前、計算書添付は許さん。でも、耐震等級2は確保せよ。

全く、同じ構図です...(-m-#

構造計算書不添付→審査機関がボイコット→行政が審査→もともとその能力が無い→審査に異常に時間がかかる→誰も長期優良住宅などやらなくなる。

構造計算書不添付→審査機関に無理矢理審査業務を押し付ける→審査機関は後々、いじめられるのは嫌だから慎重に審査する→審査料値上げ。当然、時間もかかる→誰も長期優良住宅などやらなくなる。

構造計算書不添付→「悪意をもって」基準に達しない設計がまかり通る→有名無実の長期優良住宅

審査を簡単にして、長期優良住宅を増やそう!!!ってな事にはならないのです。

エンドユーザーの皆さんには、少々、ショックかもしれませんが、現在、確認申請だけを通すのであれば、一般的な木造住宅では、簡単な計算すら添付しなくていい事になっています。これは、審査の簡素化と設計者のモラルを信じて、、と言う前提なのですが、実際には「悪意をもって」なんの検討もしていない設計も大手を振って確認申請を通過しています。住宅設計実務関係者であれば、誰もが知る公然の秘密。

全く同じ過ちを行おうとしているようです。

実はねぇ、、まだまだ、脂っこい話は、いろいろ聞こえてくるのですが、、、この程度にしておきましょうか。。。
久々に憤りを感じています。

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by kitakobo | 2010-04-27 20:50 | 長期優良住宅


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